抄録
タテツツガムシ,L.scutellare,およびキチマダニH. flava /タカサゴチマダ
ニ,H. formosensis,に対する5種の植物精油の影響を観察した。
供試植物油:アネトール、オイルC(柑橘系植物油)、シトロネラ、ヒバ油、
リモネン
供試ダニ類:タテツツガムシ、キチマダニ/タカサゴチマダニ
試験1:供試サンプルを濾紙に20μl滴下し、直接ダニに接触させ、その行動を観察した。その結果、タテツツガムシはアネトール・シトロネラ>リモ
ネン・オイルC>ヒバ油。タカサゴチマダニ/キチマダニはオイルC・リモネ
ン>アネトール>シトロネラ>ヒバ油、の順で活動停止効果が認められた。
試験2:濾紙を4区画に分けてその1区画に供試サンプルを20μl滴下し
た。濾紙中央部にダニを放し、5分後に各区画の個体数をカウントしてサンプ
ルの忌避性を観察した。忌避性を係数(カッコ内)に換算して忌避効果を判
定した。その結果、タテツツガムシはリモネン(2.68)>アネトール
(2.07)>シトロネラ(1.95)>オイルC(1.90)>ヒバ油(1.47)。 タカ
サゴチマダニ/キチマダニ(幼虫)はオイルC(3.35)>アネトール(3.23)
>リモネン(2.87)>シトロネラ(1.91)>ヒバ油(0.92)、の順で忌避効
果が認められた。