日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第63回日本衛生動物学会大会
セッションID: B23
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第63回日本衛生動物学会大会
ケニア西部(GembeEast,Mbita)におけるマラリア媒介蚊のピレスロイド感受性に関する調査(4)行動抵抗性の有無に関する検討
*川田 均岩下 華子前川 芳秀C. MwandawiroS. M. Njenga皆川 昇高木 正洋
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抄録

アフリカにおけるマラリア媒介蚊の有効なコントロール手段の確立を目的とし、ケニア西部のGembe East地区をモデル地区に定め、種々のトライアルを計画中であるが、これまでの検討結果より、調査地区における主要なマラリア媒介蚊であるAn. gambiae. s.s.、An. arabiensisAn. funestus s.s.の3種は、いずれもそれぞれ独自のメカニズムによりピレスロイドに対して抵抗性を有することが明らかとなった。蚊のピレスロイドに対する抵抗性としては、上記の生理的な抵抗性に加えて、吸血時間帯を真夜中から薄明あるいは薄暮期にシフトしたり、endophagicからexophagicに吸血習性を変更する行動抵抗性の存在が知られている。そこで、演者らは2010年9月より調査地における主要マラリア媒介蚊の行動抵抗性の有無確認に着手した。 成虫のバイティングリズムを知るために、夕方から翌日の朝にかけての成虫の採集を、CDC Miniature Light Trap (Model 512) にCollection Bottle Rotator (Model 1512) を組み合わせた装置を使用して行った。これは、米国のJohn W. Hock社が開発した装置で、通常蚊の採集に使われるCDC Miniature Trapと、底面に8個のボトルを配した円盤状のテーブルを組み合わせ、装置に付属するタイマーのプログラムによって所定の時間にテーブルを回転させ、蚊を望みの時間帯にトラップすることができる。今回は、上記の装置を用いて得られた主要なマラリア媒介蚊の行動変化の有無について報告する。また、An. funestus 種群の An. rivulorum の第4のベクターとしての重要性についても言及する。

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© 2011 日本衛生動物学会
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