2006年にミクロネシア連邦チュック州のウエノ島,ロマヌム島およびピス島で蚊の分布調査を実施し,南日本支部会で結果を報告した.調査期間が短くAedes属の多くが未同定であったことから,2011年に再調査を実施したのでその結果を報告する. ウエノ島とロマヌム島はチュック環礁の内側の島,ピス島は環礁の上に位置する島である.ウエノ島はチュック州の行政の中心で面積は 18km2で,チュック州では 2番目に大きな島である.これに対して,ロマヌム島とピス島は1km2以下の小さな島である. ウエノ島ではAedes hensilli,Ae.albopictus,Ae.lamelliferus, Aedes sp.,Culex quinquefasciatus,Cx.carolinensis,Cx.annulirostrisおよびLutzia voraxの8種,ロマヌム島ではAe.scutoscriptus,Ae.hensilli,Cx.quinquefasciatusおよびCx.carolinensisの4種,そしてピス島ではAe.scutoscriptus,Ae.hensilli,Aedes sp.,Cx. quinquefasciatus,Cx.carolinensisおよびCx.annilirostrisの6種が採集された.ミクロネシア連邦では昨年末にパラオ,ヤップおよびマーシャルでデング熱患者が発生しており,本地域ではAe. hensilliとAe.albopictusが採集されたことからデング熱に対する注意を要する状況にあると考えられた.