日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第64回日本衛生動物学会大会
セッションID: C12
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第64回日本衛生動物学会大会
タテツツガムシ幼虫による刺症の皮膚病変に関する検討
*夏秋 優馬庭 芳朗高田 伸弘
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抄録

兵庫県養父市大屋町では毎年秋になると住民にタテツツガムシ幼虫刺症による皮膚炎が多発する(近年の症例総括を準備中).皮膚病変は痒みを伴う孤立性の丘疹が多発するという臨床像を呈するが,このような病変の発症にはタテツツガムシ幼虫の吸着と,吸血の際に注入される唾液腺物質に対するアレルギー反応が関与すると考えられる .今回,この皮膚炎の病態を解明するため,大屋町で2011年秋に採取したタテツツガムシ幼虫を用いた刺咬実験を行った.方法としてタテツツガムシ幼虫を志願者の皮膚に置き,パッチテスト用のフィンチャンパーを用いて24時間閉鎖密封して,その後の皮膚の変化を観察した.その結果,吸着が成立した場合は 24時間後に小紅斑が出現し,その中央には吸血中の虫体が認められた.紅斑は48~72時間後にはさらに大きくなり,痒みも強くなったが,その後は次第に軽快して2週間後には略治した.虫体は吸着後 72時間以内に脱落した.また,吸着48時間後の皮膚病変を生検して病理組織を観察したところ,真皮の血管周囲にリンパ球を主体とした炎症細胞浸潤が認められ,その多くが Tリンパ球であった.以上より,タテツツガムシ幼虫刺症では虫体吸着後, 2~3日後をピークとする T細胞主体の炎症反応を生じていることが判明した .(本研究の一部は学振科研23406012によった . )

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