日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
原著
熊本地震における在宅人工呼吸療法療養者の避難状況と支援のあり方の検討
落合 順子緒方 健一尾石 久美子宮崎 ひさみ西田 明美宮本 めぐみ
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2018 年 43 巻 3 号 p. 477-485

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抄録

人工呼吸器を装着している療養者にとって大規模災害が発生した場合、避難するためには多くの困難が想定される。本研究では2016年の熊本地震の際の在宅人工呼吸療法療養者と家族の避難行動と、どのような支援を受け自宅に帰ることができたのかを明らかにするために、7名の母親と在宅職員にインタビューを行った。その結果、数日間避難するための必要物品の量が多くひとまとめにすることは不可能であるため、震災後であっても避難用に物品をまとめている療養者はいなかったことが明らかとなった。迅速な医療機関の避難の受け入れがあったこと、医療機関に生活の場を移した療養者と家族に対し、在宅職員が巡回しケアを行ったこと、日中の預かりサービスを行ったことによって全員元気で自宅に帰ることができていた。必要物品の保管方法や移動支援についての課題と、在宅サービス事業所と医療機関とのシームレスな連携が必要であることが示唆された。

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© 2018 日本重症心身障害学会
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