日本重症心身障害学会誌
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一般演題
O-8-03 強度行動障害のあるA氏の自傷行動を軽減する看護
−行動障害の発展段階に応じた支援−
八木 洋充
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2021 年 46 巻 2 号 p. 257

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抄録
はじめに 重症心身障害児(者)の中には、生活に支障をきたすほどの行動障害がみられる例が存在する。これまで病棟ではABCチャートでの観察結果を看護計画に反映できていなかった。今回、自傷行動のあるA氏において、ABCチャートを用いて行動の機能アセスメントを行い、行動障害の4つの発展段階に応じた看護計画を立案し、統一した看護援助を実践した結果、自傷行動を軽減することができたので報告する。 目的 行動障害の発展段階に応じた支援が自傷行動の軽減につながるか検討する。 方法 A氏は50代男性で、脳性麻痺、最重度知的障害、強度行動障害スコアは20点である。応用行動分析で用いられるABCチャートを使用して行動の観察・記録を行った。それを基に問題となる行動がなぜ起こるのか行動の機能アセスメントを行い、行動障害の発展段階ごとに看護計画を立案・実施・評価・修正した。また、行動障害が勃発した際に内服するリスペリドンの内服回数、時間について検証した。 結果 ABCチャートの記録を基にした行動の機能アセスメントから、排泄、環境調整、食事、活動の場面におけるA氏の行動障害の目的は、注目を得る、欲求を満たす、逃避する、感覚刺激を得るの4つに分類できた。また、A氏の行動障害の段階毎の徴候が明確となり看護計画に反映できた。リスペリドンの平均内服回数は10.5回/月であり、介入前の平均内服回数16.4回/月と比較して、36.0%減少した。リスペリドンは8時から10時、13時から15時に高い頻度で内服していた。 考察 ABC分析を行うことでA氏の個別性に応じた看護計画の具体化につながった。また、段階毎の徴候の明確化により、行動障害が勃発する前にスタッフが迅速に介入できたことは自傷行動の軽減に有効であったと考える。 結論 行動障害の発展段階に応じた看護計画を実践することで、A氏の強度行動障害による自傷行動は減少した。
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© 2021 日本重症心身障害学会
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