抄録
はじめに
気管カニューレ抜去リスクを予防し、上肢の動きを制限しない自作トラキマスク使用で、ストレス軽減効果の分析と看護師インタビューで対象理解への看護実践能力を検証した。
目的
1.自作トラキマスクがストレスに与える効果を検証。
2.看護師の対象理解に対する看護実践能力を検証。
方法
1.研究対象
対象:A施設B病棟看護師3名(経験年数3年以上)
対象:Z様50代 女性 大島の分類1 レット症候群、慢性呼吸不全、単純気管切開、夜間人工呼吸器、気管カニューレ挿入、日常的に両上肢抑制。カニューレ自己抜去によるリスクがある。
2.(1)研究期間:令和3年1月から3月
(2)実施時間:15分間
実施方法:第1段階:抑制ありデータ収集10回。
第2段階:抑制解除前後でデータ収集20回。
測定項目:唾液アミラーゼ(NIPRO酵素分析装置唾液アミラーゼモニター)、その他観察項目。
(3)自作トラキマスク:プラスチック製9×9cm
固定方法:両サイドと脇窩たすき掛け4点固定。
(4)研究実施者:看護師3名。研究参加後インタビュー調査30分間(半構造化インタビュー)
倫理的配慮
本研究はA施設の倫理委員会の承認を得て実施。
結果
バイタルサインは安定し利用者特性である激しい手の動きにも安全が守れた。
ストレスのデータ分析は唾液アミラーゼ値を介入前後でt検定分析した。結果t値0.87(P=0.38)有意差は無かった。さらに研究協力者のインタビューをSCATで分析。3名のストーリーラインは[抑制解除が明確にストレス軽減]したとしている。
考察
唾液アミラーゼ測定結果は、有意差はなかったがバイタルサインは安定、抑制解除は心理面で効果があったと考える。研究協力者の結果は、ストレスが軽減し表情・動作の違いから精神的な安定が得られた。一方対象者の捉え方、看護実践能力は個別性、観察の視点、対象理解に違いが導き出された。
結論
1.自作トラキマスクは安全でストレスを軽減。
2.対象理解は看護技術と思考の組み合わせである。