日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
原著
重症心身障害児(者)における新型コロナウイルスワクチンの安全性および有効性の検討
荒川 浩一久保田 雅紀田中 宏子竹内 東光服部 重人横手 薫美夫野田 陽子野田 真一郎
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2022 年 47 巻 3 号 p. 365-371

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抄録
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))に対するCOVID-19ワクチン接種の安全性および有効性に関する報告は少なく、家族の不安も強い。今回、当施設で2回のワクチンを接種した重症児(者)124名(13〜85歳)に対して副反応の調査を前方視的に実施した。また、そのうちの30名に対しては、SARS-Cov-2スパイク蛋白/IgG抗体を測定した。その結果、発熱などの全身副反応および局所副反応は、1回目より2回目の接種でより顕著であった。ワクチン接種後に死亡やアナフィラキシーを呈した症例はなく、ほぼ安全に接種可能であった。ただ、接種後の体調変化に注意深い観察が必要であった。2回のワクチン接種によりスパイク蛋白に対する抗体価は上昇し、特に若年層で良好な上昇を認めた。以上より、重症児(者)に対してもCOVID-19ワクチンの安全かつ有効性が確認された。
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© 2022 日本重症心身障害学会
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