日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-9
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白癬菌の種間および種内変異についての多遺伝子解析
*河崎 昌子若狭 麻子安澤 数史田邉 洋望月 隆石崎 宏香川 三郎
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抄録

白癬菌 Trichophyton 属の Arthroderma benhamiae 近縁種についてミトコンドリア DNA(mtDNA)および核 DNA(nDNA)の計 4 種類の遺伝子(ATPase gene, Actin gene, DNA topoisomerase II gene, rRNA gene)での塩基配列を基に系統関係を推定したところ T. erinaceiT. verrucosumT. mentagrophytes と共に A. benhamiae の anamorph と考えられる事は既に報告した。
今回はさらに A. vanbreuseghemii, A. simii, T. tonsurans, T. interdigitale, T. rubrum, A. otae, M. gypseum 等について種内変異のある株を探し、それらについて上記遺伝子の塩基配列を決定し、系統関係を推定した。
これまでのところ交配型の異なる株で僅かの塩基置換が認められるものがあったが、コロニーの肉眼的所見で T. mentagrophytes 様にみえる T. interdigitaleM. canis 様にみえる M. gypseum も、塩基配列における差異は見つかっていない。2 種の中間型の塩基配列を持つものも見つかっていない。今後さらに mtDNA および nDNA の異なる染色体上にあると思われる(連関していない)複数の遺伝子を調べ種内変異の範囲を検討して報告する予定である。

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© 2005 日本医真菌学会
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