日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第50回 日本医真菌学会総会
セッションID: P37
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趾爪白癬に対するイトラコナゾール400mgパルス療法の臨床効果と患者満足度の検討
*久保田 由美子
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抄録

2004年2月、本邦でも爪真菌症に対するイトラコナゾール(ITCZ)400mgパルス療法が認可され、また報道機関を介した啓発運動により、抗真菌剤内服療法を求める、特に高齢者の重症爪白癬患者が増加してきた。そこで我々はITCZパルス療法の趾爪白癬に対する臨床効果と患者満足度について検討した。
(方法)2004年6月から2006年4月に福岡大学病院皮膚科および協力病院を受診した趾爪白癬76例に対し、scoring index for onychomycosis (SCIO)による重症度分類を用い、ITCZパルス療法の有効性と安全性を検討し、治療3ヵ月目にアンケート調査を実施し、患者満足度も検討した。
(結果)総症例は76例で3パルス完了は57例、6ヵ月判定例は36例で、安全性評価対象は74例、有効性評価対象は48例であった。平均年齢は56.7±16.9歳(19∼82歳)、SCIOスコアの平均は21.0±7.2(6∼30)であった。爪の肥厚、混濁比とも経時的に減少し、3ヵ月時より治癒例が存在し、6ヵ月後までに38.9%(14例/36例)が治癒した。副作用は肝機能上昇や足の浮腫など18.9%(14例/74例)に認められた。アンケート調査では、約半数が治療費が高いという意見であったが、約70%が連日投与より良いと判断し、80%以上が治療に満足していた。

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© 2006 日本医真菌学会
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