日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第50回 日本医真菌学会総会
セッションID: LIII
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ランチョンセミナー III
イトラコナゾールの経口液剤と注射剤の有用性とその臨床的意義
*松村 佳彦宮崎 義継田村 和夫河野 茂
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抄録

2002年12月のキャンディン系のミカファンギン注をはじめとして、アゾール系のボリコナゾールやアムホテリシンBのリポ化製剤といった新しい抗真菌薬が、近年相次いで上市されたことにより、わが国における真菌症治療戦略は更なる進歩が期待されている。そのような状況の中、従来わが国ではカプセル剤のみが使用可能であったイトラコナゾールにも、経口液剤と注射剤が加わることとなった。イトラコナゾールは、カンジダ属をはじめクリプトコックス属やアスペルギルス属にも幅広い抗真菌活性を有するものの、従来のカプセル剤では食事や制酸剤の有無による吸収の変化が認められていた。そのため、急性期や重篤な基礎疾患を有する患者への投与は困難な場合も少なくなかったが、2つの新しい剤型の追加によりイトラコナゾールによる真菌症治療の幅を広げることが可能となった。そこで、イトラコナゾールの経口液剤、注射剤の国内臨床試験成績を紹介するとともに、口腔外科領域と呼吸器領域および血液領域の各専門医にそれぞれの領域における臨床的意義を検討していただき、ご参加の先生方とともに考えながら明日からの日常診療に役立つようなセミナーになることを確信している。

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© 2006 日本医真菌学会
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