日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-105
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V. その他一般
マウス膣カンジダ症モデルを用いたアロマセラピーの有効性発現条件の検討
*丸山 奈保滝沢 登志雄久島 達也石橋 弘子井上 重治安部 茂
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抄録

【目的】
膣カンジダ症は発症頻度の高い感染症でありながら、一部では抗真菌剤だけで解決できない場合も多い。本症にアロマセラピーとして植物精油が経験的に用いられているが、有効性を得る最適な投与法に関する研究は少ない。ここでは、膣カンジダ症マウスモデルを用いその検討を行った。
【方法】
実験1.C.albicans TIMM2640を、エストラジオールを投与したBALB/cマウスに接種し、翌日より植物精油を3日間連続膣内投与後、4日目に菌を回収した。一部のコントロールマウスでは、投与6時間後に膣の洗浄操作を加えた。
実験2.菌接種48時間後に膣を洗浄後、ゼラニウム油及び主成分であるゲラニオールを膣内投与し、投与6、24、96時間後に菌の回収・洗浄を行った。
【結果と考察】
1.クロトリマゾールでは効果が認められたが、ゼラニウム油、ティートリー油などの植物精油では、生菌数の低下は認められなかった。ただし、膣洗浄により生菌数の有意な低下が認められた。
2.植物精油投与96時間後にはゲラニオール1%で生菌数の有意な減少が、ゼラニウム油1%で減少傾向が見られた。
すでに、ゼラニウム油及びゲラニオールはin vitroC.albicansの菌糸形発育を阻止し、基材への付着性を低下させることを明らかにしている。以上より、これらは、膣洗浄との適切な組み合わせにより、膣カンジダ症に有効性を示しうると考えられる。

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© 2007 日本医真菌学会
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