日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-8(SI-2)
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I. 内臓真菌症
深在性トリコスポロン症の臨床的および起因菌の検討「深在性トリコスポロン症研究会」による報告
*杉田 隆時松 一成高倉 俊二福田 隆浩高田 徹田村 和夫
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抄録

[目的] 深在性トリコスポロン症は、T. asahiiを主要起因菌として発症する予後不良な日和見真菌感染症である。本症に対する感染制御・治療の向上を目的とし、2006年に「深在性トリコスポロン症研究会」を組織した。この度は、本研究会に報告された本症の臨床的および分与された菌株について菌学的検討を行ったので報告する。[方法] 500床以上の医療機関に播種性トリコスポロン症の臨床背景・治療法等の調査を依頼した。また、入手した24株についての抗真菌薬に対する感受性および遺伝子型を調べた。[結果および考察] 全国22施設から39例の報告があった。基礎疾患は血液疾患が最も多かった(31/39)。32例はTrichosporon sp.の分離前に抗真菌薬が投与されており、内訳は、23例がMCFG、7例がAMPH-Bであった。24株のすべてがT. asahiiと同定され、VORおよびITCZには感受性を示したが、MCFGおよび5-FCには耐性、AMPH-Bには低感受性を示した。21/24株は遺伝子型がI型を示した。2008年3月まで症例の蓄積を行う予定であるので協力を御願いしたい。

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© 2007 日本医真菌学会
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