Malassezia spp. は、皮膚に常在する脂質要求性の酵母であるが、疾患のひとつとして背中や胸に高発するマラセチア毛包炎を引き起こすことがある。我々は、マラセチア毛包炎の原因菌種の解明を目的とし、マラセチア毛包炎病巣部( 13 試料:男性 9 名、女性 4 名)及び健常皮膚( 11 試料:男性 6 名、女性 5 名の背中及び額)から Leeming & Notman agar medium を用いた培養法によって Malassezia spp.を分離し、遺伝子学的手法によって菌種の同定を行った。その結果、マラセチア毛包炎病巣部からは、M. globosa、M. sympodialis、M. furfur 及び M. restricta が検出された。一方、健常皮膚からは、M. globosa、M. sympodialis 及び M. restricta が検出された。また、リアルタイム PCR を用いた、非培養法による Malassezia spp. の定量解析も同時に行ったので、結果を併せて報告する。
<会員外共同研究者:西嶋皮ふ科 西嶋攝子>