日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
人工膝関節全置換術後痛,持続的他動運動後痛および 術後早期関節可動域に対する漸進的筋弛緩法の効果
武田 宜子柳本 優子富田 真佐子五木田 和枝
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 3 巻 p. 56-63

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抄録

目的:人工膝関節全置換術(TKA) 後疼痛,持続的他動運動(CPM)後痛,関節可動域拡大に対する漸進的筋 弛緩法(PMR) の効果を検証した.方法:非ランダム化試験による介入研究で,患者23名(平均年齢72歳,女 性83%) について,鎮痛剤投与にPMRを補完した患者12名を介入群,鎮痛剤投与のみの患者11名を対照群と して, TKA後痛, CPM後疼痛,術後早期ROMの差を比較した.結果: 1) 介入群ではPMRはCPM前のTKA 術後痛を術後第1,2週で有意に緩和させる, 2)2群間でCPM前の値とCPM後の値に有意な差はなかったが, CPM前後の痛みの差はPMR介入群では有意な差はなく.対照群では術後1,2週で有意に増強した, 3)PMR は術後早期ROM拡大には影響しなかった.考察:本研究が示したPMRがTKA術後痛とCPM後痛の緩和効果 については,介入群の術前膝機能の良さ, PMRへのコミット形成による影響も無視できない.対象者が少なく さらなる検証が必要である.結論: PMRはTKA術後関節痛に鎮痛効果がある, しかし,その効果は術後早期の ROM拡大に影響するほどではなかった.

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© 2008 日本運動器看護学会
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