日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
縦断調査によるOxfordKnee Score日本語版の信頼性・ 妥当性の検証
上杉 裕子藤田 君支中村 宣雄柿本 明博黒田 良祐西井 孝菅野 伸彦
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2013 年 8 巻 p. 33-39

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抄録

本研究では人工膝関節置換(TKA)患者評価尺度であるOxfordKnee Score (OKS) 日本語版を開発し,その信 頼性・妥当性を縦断的調査により検証することを目的とした. 原作者より翻訳許可を得て,バックトランスレーションの手法により, OKS日本語版を開発した. TKA患者の 術前と術後12か月にOKS日本語版,健康関連QOL尺度SF-36v2を用いて調査を行った.48名より結果が得られ, 年齢層が42~89歳と幅広いため, 74歳以下27名(男性9名,女性18名:平均年齢68.2歳), 75歳以上21名(男 性3名,女性18名:平均年齢79.2歳)の2群に分け,検討を行った.OKS日本語版の術前のクロンバックa係 数は術前0.915/0.927, 術後0.923/0.888と, 信頼性が認められた.効果景から74歳以下では膝関節に特化した OKSに, より尺度としての鋭敏性が認められた. OKS日本語版とSF-36v2との相関では,「身体機能」や「日常役割機能(身体)・( 精神)」, 「体の痛み」などにおいて, 術前:ー0.612-0.855, 術後:ー0.535-0.819の高い相関が示され,併存妥当性が確認された. 以上により, OKS日本語版は信頼性・妥当性が認められ,今後,本尺度を用いて,患者の痛みを把握し,困難 な日常生活動作を明らかにすることにより,看護介入の検討の示唆となると考える.

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© 2013 日本運動器看護学会
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