多文化関係学
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NGOの連携活動における媒介者の働き : バングラデシュ文化における事例から
水谷 俊亮久保田 真弓
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2013 年 10 巻 p. 117-132

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抄録

本研究では、ある目標に向けて協働すべき異文化の集団や組織をつなぎ、その目標達成に寄与する力、すなわち「文化媒介力」(松田, 2013)を参照し、バングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行うNGO・Eが、日本の支援団体NPO・Sを受け入れ実施した5日間の訪問ツアーを対象に、NGO・Eの日本人スタッフ2名に焦点をあて、媒介者としての働きを明らかにする。日本人スタッフの一人はNGO・Eで1年間インターンとして働き、5日間の訪問ツアーを参与観察しフィールドノートを取った。本研究では、このフィールドノートをデータとしKJ法(川喜田, 1967)で分類し、カテゴリー名をつけ分析した。その結果、最終的に19種類のカテゴリーが抽出された。それらを対日本人訪問者への項目と対バングラデシュ人スタッフや子どもへの項目に分けて解説した。次に特筆すべき3つのエピソードをカテゴリー項目を用いて再構成し提示した。これらの分析結果をもとに、NGO・Eの日本人スタッフ2名による媒介者としての働きを「文化媒介力」を援用して議論した。
本研究の意義は、「文化媒介力」について実際のデータを元に提示した点、イスラム文化を背景とするバングラデシュで活動する現地のNGOの視点から議論した点、特に農村における場面を扱っている点である。

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© 2013 多文化関係学会
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