材料
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熱疲労における二, 三の基礎的問題
加藤 則忠
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1964 年 13 巻 131 号 p. 589-595

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抄録

熱疲労現象の基礎的解明のために必要であると思われるにかかわらず, まだ指摘されていない事柄が, 347型ステンレス鋼に関する実験で得られたので, 参考のために紹介したものである.
その1つは, 熱疲労試験片の表面にできる機械加工層の破壊繰返数への影響が大きいことであり, 機械加工後焼鈍ししするかしないかを実験結果を検討するとき考慮に入れるべきであることを述べた. その2は, ふんい気ガスの影響であって, この材料の場合には酸素による酸化は余り問題とならず, 不活性ガスであってもなくても, ガスが存在すると, 存在しない場合に比較して破壊繰返数が減少することを述べ, 最後に, 熱疲労強度に非金属介在物の回りに発生する微視的熱ひずみの影響が大きいことを述べ, 非金属介在物をAl2O3系とすると, 高温疲労と熱疲労の相関性が合理的に説明できることを述べた.

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