1964 年 13 巻 131 号 p. 611-612
熱疲労き裂の伝播を対象とする試験方法として, 高周波誘導加熱および急冷に伴う温度こう配による熱疲労試験機について説明した.
本試験方法では温度分布を実体と類似せしめやすいという利点があるが, 応力測定はほとんど不可能であるため, 熱疲労の数理的取り扱いよりもむしろ実用状態における材料の熱疲労特性の比較に適している.
熱間工具鋼の繰返加熱冷却に伴う材質変化, 熱疲労き裂の伝播特性についての実験結果を示し, 実用したプレスマンドレルに発生した熱疲労き裂の状況と対比して説明した.