材料
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非鉄合金旋削仕上試験片の疲労強度について
竹内 勝治
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1967 年 16 巻 162 号 p. 144-149

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抄録

本資料はアルミニウム合金5材質, 銅合金3材質, チタニウム合金4材質について旋削仕上後の疲労強度を求め, 表面あらさとの関係において実験結果を整理するとともに, 真空焼なましした場合についても検討した.
試験片の表面あらさは1.5~29sの範囲にあり, 疲労試験は小野式回転曲げ疲労試験機を用いて行ない, 得られた結果を要約すると次のようである.
疲労強度σw'(107)は表面あらさRが大になるにつれて低下し, 両者間に次の実験式が成立する.
σw'(107)=σwL-m1logR
ただし, σwLとm1は定数である. σwLは表面あらさ1sの旋削仕上試験片の疲労強度に相当するが, 同程度の表面あらさをもつペーパ仕上試験片との間に差がある.
旋削仕上, ペーパ仕上試験片とも平行部表面に加工層があり, その大きさは材質によって異なる. また, 真空焼なましすると表面から0.01~0.02mmの深さまで微細な再結晶組織を生じ, 真空焼なましした場合の疲労強度は表面あらさと表面の細粒組織の影響を含んだものとなる.

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© 日本材料学会
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