材料
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ホウ砂末とホウ酸末の流動性,充てん性に対する粒径の影響
池川 昭子金庭 延慶
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1967 年 16 巻 164 号 p. 314-318

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抄録

ホウ砂末, ホウ酸末の安息角, すべり角, 空隙率に対する粒径の影響を検討してみた. 角度は粒径が小さくなるにつれて少しずつ増大し, ホウ砂では160μ, ホウ酸では100μ付近を境として, それ以下での角度の増大は急に著しくなり, 角度と粒径の間には近似的に次のような関係が適用できた.
D≤Dc tanα=A1exp(-B1D) (1)
D≥Dc tanα=A1'exp(-B1'D) (2)
A1>A1', B1>B1'>0
一方, 最粗空隙率もある粒径を境として, それより大きい所ではほぼ一定だが, それ以下では粒径の減少とともに増大し, 次のような関係が見いだされた.
ε0-εc=Aexp(-BD)
空気中での臨界粒径は安息角, すべり角の場合と一致した. 臨界粒径以上では粉体粒子間凝集力は無視でき, (2)式は粉体の内部摩擦係数tanθに相当するとしてC/Mgを求め, ε0cとの関係を検討すると両者の間には直線関係が見いだされた. 以上の事実から, 臨界粒径以上では粉体粒子間凝集力は無視できるが, それ以下では無視できなくなり, 安息角, すべり角, 空隙率等に影響を与えるものと考えられる.

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