日本看護技術学会誌
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研究報告
看護基礎教育における解剖生理学教育の文献 ・ シラバスの検討
安田 みなみ大久保 保暢子
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2016 年 15 巻 2 号 p. 163-171

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抄録

 【目的】看護基礎教育における解剖生理学教育に関する文献数の推移, 看護系大学における解剖生理学教育の現状を文献およびシラバスを基に整理し, 看護基礎教育における解剖生理学教育の今後の課題を考察した.
 【方法】文献およびシラバスの検討. 文献は検索データベース医学中央雑誌にキーワーズを投入し, 1982年以前~2011年の検索期間を設けて検索を行い105文献を対象とした. シラバスは, 2011年時点の看護系大学200校のシラバスをホームページから検索し, 収集可能な計199大学を対象とした. 分析方法は, 「解剖生理学に該当する科目名」「教授方法の枠組み」「単位認定者の職種」などの収集項目を定め, それに従い文献およびシラバス内容を収集した. 収集データを量的分析するため名義尺度に変換し, 統計ソフトにて単純集計, 図表化し, 研究目的に沿って検討を行った.
 【結果】論文数は2007年以降, 増加傾向だったが, 特定著者に偏っていた. シラバスでは, 科目名は多様であるにも関わらず, 解剖学 ・ 生理学の教員が二分して講義し, 器官系統別に身体をみる枠組みで教育する大学が8割であった. 他枠組みを教育方法とするのは5大学で, 「食べる」「トイレに行く」などの日常生活行動から身体をみる枠組みであった. 立体的に身体を理解する教育が奨励されているが, 解剖実習の実施は医学部看護学科などで実施されているのみで, 以外の看護系大学は設備不足から短時間の解剖見学であった.
 以上, 看護基礎教育全体で解剖学と生理学を統合して教授できる人材が必要であり, より充実した解剖生理学の授業を行うには施設環境の整備も必要と考えられた. 加えて, 看護の視点から解剖生理学教育の論文数を増やすことが, 看護教員で解剖生理学教育を行う必要性を社会が認める一歩になると推測する.

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