日本栄養・食糧学会誌
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母ラットのラードおよび魚油添加飼料摂取が仔ラットの胃内容物組成と血漿脂質濃度に及ぼす影響
小松崎 典子薄井 智美鳥海 恵莉山田 有香中嶋 洋子
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2010 年 63 巻 3 号 p. 107-114

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抄録

妊娠および授乳期に摂取する油脂の差異が, 仔ラットの胃内容物組成と血漿脂質濃度に及ぼす影響を調べた。妊娠・授乳期の母親ラットを2群に分け, ラード食 (LD) と魚油食 (FD) を与えて飼育し, 仔ラットは離乳が完了するまで親とともに同じ飼料を摂取させた。妊娠・授乳期間を通して母親と仔ラットの体重に有意な差はみられなかった。しかし, FD群の母親の血漿トリアシルグリセロール濃度はLD群に比べて低かった。離乳が完了するまでの仔ラットの胃内容物中のタンパク質 (P), 脂質 (F), 糖質 (C) エネルギー比は2群間で差はなかったが, 脂肪酸組成は母親が摂取した飼料の脂肪酸組成を反映して変化し, n-6/n-3はLD群が18.6, FD群は1.5であった。仔ラットの血漿トリアシルグリセロール濃度と総コレステロール濃度は, 離乳の進行とともに低下したが, FD群はLD群よりも低かった。仔ラットの後腹壁脂肪組織重量もFD群はLD群よりも低かった。したがって母親の摂取油脂の差異は, 仔ラットの胃内容物中の脂肪酸組成を変化させ, さらに血漿脂質濃度, 体組成にも影響を及ぼした。妊娠中の魚油摂取は, 母親と仔ラットの脂質濃度を低下させる作用があることが示唆された。

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© 2010 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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