日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
Salacia reticulataの卵アルブミン誘発I型アレルギー反応におけるマウス腹壁血管透過性亢進抑制作用
芳野 恭士岸 由紀乃金高 隆古賀 邦正
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2012 年 65 巻 5 号 p. 221-227

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抄録

サラシア属植物の一種であるSalacia reticulataの葉と幹の水抽出物について,そのマウスI型アレルギー抑制作用を検討した。S. reticulataの葉および幹の水抽出物を,200もしくは400 mg/kg体重の投与量でマウスに経口投与した場合,マウスI型アレルギーを有意に抑制した。I型アレルギーマウスにおける腹壁中のインターリューキン-4やインターリューキン-10,さらには免疫グロブリンEの濃度の上昇もまた,これらの抽出物の投与により抑制された。S. reticulataの葉水抽出物中の有効成分の一部として(-)-エピカテキン,また,その幹水抽出物中の有効成分として,マンギフェリンが考えられる。したがって,S. reticulataの葉と幹は,I型アレルギーを予防するのに適した食品素材であると考えられる。

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© 2012 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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