日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
ラットにおけるイソマルチュロースの満腹感持続作用
笹川 克己峰尾 茂平山 匡男佐藤 眞治
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2013 年 66 巻 6 号 p. 301-307

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抄録

スクロースの構造異性体であるイソマルチュロースは, 小腸でゆっくりと消化される糖質として知られている。摂食行動には様々な要因が関わっているが, 食品中の栄養成分の消化速度と摂食調節との関連性については明らかになっていない。そこで, ラットの摂食行動に及ぼすイソマルチュロースの影響について検討を行った。その結果, イソマルチュロース投与後24時間の摂餌量および総エネルギー摂取量は, コントロール群に比べ有意に減少することが明らかとなった。また, 胃内容物排出はコントロール群に比べ低下する傾向にあり, 血糖値と血漿中インスリン濃度の上昇はスクロース群に比べ有意に抑制された。以上の結果は, 消化速度の遅いイソマルチュロースが満腹感を持続させる作用を有することを示しており, 食欲コントロールに有用である可能性が示唆された。

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© 2013 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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