日本栄養・食糧学会誌
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健常な若年女性における高ビタミン卵の摂取は血清25ヒドロキシビタミンD濃度に影響を及ぼす
三田村 理恵子池田 隆幸
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2017 年 70 巻 5 号 p. 231-237

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抄録

高ビタミン卵の摂取が,健常な20歳代若年女性の血清25ヒドロキシビタミンD濃度に与える影響を,クロスオーバー法比較対照試験を用いて調査した。被験者41名を二つのグループに分け,ある群には1日2個の高ビタミン卵を4週間摂取させ,その後ウォッシュアウト期と普通卵摂取期を各4週間ずつ設けた。他群は同じ条件で,普通卵を先に摂取させた。血液検査の結果より,血清25ヒドロキシビタミンD濃度が50 nmol/L以下であり体内のビタミンD貯蔵量が不足と判断できる者が,調査前には53.7%存在していた。高ビタミン卵の摂取後には,血清25ヒドロキシビタミンD濃度の増加が認められ,適切範囲である50 nmol/L以上の者が92.7%に達した。一方,普通卵摂取後とウォッシュアウト期の血清25ヒドロキシビタミンD濃度は,50 nmol/L以下の者がそれぞれ34.1%存在しており、普通卵摂取前後では有意な変化は認められなかった。各期を通して食品摂取量に変化は見られなかったことから,血清25ヒドロキシビタミンD濃度の上昇は,高ビタミン卵の摂取によるものと考えられる。

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