栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食品及び飼料のコリンに関する研究
(第3報) 穀類及び種実類のコリン含量について
豊沢 功
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1958 年 11 巻 2 号 p. 56-59

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抄録

穀類及び種実類のコリン含量を定量し検討を加えた。
1. 米のコリン含量は19当り0.4~0.8mg. 糠では1.0~3.2mgで, 精白による玄米コリンの損失率は約6~43%である。
2. 一般に7分搗米の糠のコリン量が高く, 糠層では外胚乳, 糊粉層に特に高濃度にコリンが分布していると考えられる。また粳米糠よりも糯米糠に概してコリンが多い。
3. 小麦, 大麦, 燕麦は1g当り約1.0mg, 裸麦は0.7mgのコリン含量である。また麦の一次加工によるコリンの損失は比較的少ないものと解される。
4. トウモロコシのコリン含量は概して寒地栽培種>暖地栽培種となつておりひコリンの生合成には温度が関与しているものと推定される。
5. 種実類では高脂質のヒマワリ, ゴマ, 落花生, エゴマが比較的高いコリン値を示している。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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