1959 年 12 巻 3 号 p. 159-165
1) 0.8%のNをカゼインに求め, 脂肪3.2%, 無機塩類2.1%, 澱粉86.9%の飼料に対する0.2%DL-Threo添加は, 0.2%L-Lys, 0.2%DL-Threo添加群と大差なく, 添加アミノ酸に由来するNをL-Gluで調製した対照群に比し, 何れも極僅かに鼠の体重増加, 蛋白質効率, 肝X. O. A.に効がみられた程度で, N0.8%の混合蛋白飼料に対する0.2%L-Ly6と0.2%DL-Threo添加のような著しい効をしめさなかつた。
2) 上記のカゼイン飼料に0.2%DL-Methを添加する時は体重増加, 蛋白質効率, 肝X. O. A. において有意に優る結果をあたえたが, これに更に0.2%L-Lysと0.2%DL-Threoを添加してもMeth群との間に大差が見られず, 蛋白質効率において極僅かな有意とでた程度であつた。
3) 上記カゼイン飼料に0.2% DL-Methを添加した群への0.2%L-Try添加は, かえつて鼠の体重増加を抑制するにも拘らず, その上更に0.2% L-Lysと0.2% DL-Threoを添加する時は体重増加において有意に優れた。
4) 上記N0.8%のカゼイン澱粉飼料では脂肝を認めなかつた。従つてここではThreoの抗脂肝作用を試験し得なかつた。
5) 2回の実験の何れにおいても, 0.2% DL-Methを添加せる群の肝脂量は常に高い傾向をしめした。
6) NO.8%の上記カゼイン飼料では, 平均体重909前後の白鼠を用いるのが望ましく, 平均体重709の白鼠では初期2週間に生長のlagが著しく, その間の摂取蛋白質の不足が目立つた。