15 巻 (1962-1963) 5 号 p. 382-387
1. 2l入の鉄鍋中に1lの大豆油を入れ, 鯨肉 (10cm2厚さ1cm) を1日1回, 170℃で油揚げを行ない, 揚げの回数を5回, 12回, 20回とし, 着色度合の異なる揚げ油を調整した。それぞれの着色の異なる油に含まれる窒素量は0.01%, 0.015%, 0.02%で鉄は, 0.4mg%, 0.70mg%, 2mg%, ピロール環物量は10-5モル, 10-4モル, 10-4モルであった。これらの揚げ油について, AOM法で安定性を求めると, 12回揚げ油と20回揚げ油は安定性よく, 5回揚げ油は逆に安定性が悪かった。
2. 揚げ油の安定性のモデル試験として, 揚げ油中に検出したと同様な物質を使用するため, 便宜上, α-グロビン, ピロール, 鉄粉, 鯨油を選び, それぞれを大豆油に添加し, AOM法で安定性を調べた結果, 単一, 2種混合および3種類の混合添加では, 酸化防止効果なく, むしろ酸敗を促進させた。ところがグロピン0.1%, 鉄粉0.01%, ピロール10-3モル, 鯨油1%の4種の混合添加では, 過酸化物価は非常に低かった。
3. 以上のように安定のよい揚げ油および4種類混合添加油も, 170℃で2時間加熱すれば, かえって安定性は低下した。