栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
農家食品のカルシウムに関する研究 (第12報)
2, 3の農家におけるカルシウム摂取量の実測値と計算値との相違について
檀原 宏藤山 玲子
著者情報
ジャーナル フリー

1963 年 16 巻 3 号 p. 203-207

詳細
抄録

戸の農家について, それらのCa, Pの摂取量を, 摂取食品の調査と食品成分表とから求め, その値を実際に食物を分析した値と比較して検討した。また同時に, Caに伴い現在問題になっている, それら食物の90Srの汚染濃度を測定した。その結果は次の通りである。
(1) Caの1人1日あたりの摂取量は, 実測値の方が計算値よりも高い値を示した。しかし, いずれもその所要量には及ばない。
(2) 朝, 昼, 晩と毎食ごとのCa摂取量も, やはり実測値の方が計算値よりも高い。が, Pは逆の関係を示した。
(3) Ca, Pを主食と副食とに分けてみると, 主食から摂取されるCaは一定しているが, その量は少ない。副食からかなり多く供給されるが, 変動が大きい。Pもだいたい同様な傾向であるが, その量はいずれもCaより多く, しかも変動がいちじるしい。
(4) Caと同時にそれら食品の90Srの汚染濃度を測定した。1日あたりの量はいずれも10SU内外であった。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top