1963 年 16 巻 3 号 p. 203-207
戸の農家について, それらのCa, Pの摂取量を, 摂取食品の調査と食品成分表とから求め, その値を実際に食物を分析した値と比較して検討した。また同時に, Caに伴い現在問題になっている, それら食物の90Srの汚染濃度を測定した。その結果は次の通りである。
(1) Caの1人1日あたりの摂取量は, 実測値の方が計算値よりも高い値を示した。しかし, いずれもその所要量には及ばない。
(2) 朝, 昼, 晩と毎食ごとのCa摂取量も, やはり実測値の方が計算値よりも高い。が, Pは逆の関係を示した。
(3) Ca, Pを主食と副食とに分けてみると, 主食から摂取されるCaは一定しているが, その量は少ない。副食からかなり多く供給されるが, 変動が大きい。Pもだいたい同様な傾向であるが, その量はいずれもCaより多く, しかも変動がいちじるしい。
(4) Caと同時にそれら食品の90Srの汚染濃度を測定した。1日あたりの量はいずれも10SU内外であった。