1964 年 17 巻 4 号 p. 248-250
1) 納豆製造工程における全アミノ酸および遊離アミノ酸の変化を, 原料・蒸煮・醗酵8時間および醗酵16時間の各試料につき, 微生物法により定量量した。
2) 納豆製造工程中, 全アミノ酸においては, 蒸煮ならびに醗酵処理によりarginineが減少を示したほかは変化が認められなかった。一方, 遊離アミノ酸は, 醗酵工程中増加の傾向を示した。なお, 醗酵両試料中の遊離アミノ酸含量は, glutamic acidが多く, cystineは少ない。
3) 醗酵8時間および16時間各試料の全アミノ酸に対する遊離アミノ酸の遊離度は, それぞれ約4%および約11%であり, alanine, tryptophanおよびthreonineは遊離度が高く, aspartic acid, proline, cystineおよびserineなどは低い。