栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
各種食品中の呈味成分に関する研究 (第2報)
えびの呈味成分について
武 恒子本田 良二大塚 一止
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1964 年 17 巻 4 号 p. 268-274

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抄録

さくらえび (乾物) と南蛮えび (生) の熱水処理液および加水分解液の4試料について, えびの呈味性がいかなる成分から構成されているかを検討した。その結果を要約すると,
1. 核酸関連物質として, アデニン, アデノシン, ヒポキサンチン, イノシン, が認められたが, えびの呈味性とは関係がない。
2. 有機酸はコハク酸を主体とするか, 含量は極めて少量で, えびの旨味を決定する成分ではない。
3. グリシンおよびグルタミン酸を主体とするアミノ酸類が, えびの駐味成分を構成しており, また, アミノ酸類の緩衡能が大で呈味性にかなり寄与している。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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