栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
可欠アミノ酸の低蛋白食幼白鼠の肝臓酵素活性に及ぼす効果
道 喜美代江沢 郁子
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1965 年 17 巻 5 号 p. 314-318

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抄録

必須アミノ酸最小必要量を与えるようにカゼイン蛋白質6%に必須アミノ酸混合物1.56%を補足したカゼインアミノ酸飼料 (必須アミノ酸-N, 0.73%, 可欠アミノ酸-N, 0.37%) を用い, グルタミン酸, アスパラギン酸, グリシンおよび, クェン酸アンモニウムなどの非必須-Nの添加効果を試験した。
可欠アミノ酸-Nおよび, クェン酸アンモニウム-Nはそれぞれ, 無添加 (I), N, 0.10% (II), N, 0.19% (III), N, 0.29% (IV) およびN, 0.48% (V), の各レベルにおいて添加した結果, 体重増加量 (2週間) には著しい相異は認められなかったが肝臓のキサンチンオキシダーゼ活性において相異が認められ, グルタミン酸添加においてはN, 0.19%添加が酵素活性最高となり必須アミノ酸-N/可欠アミノ酸-N比 (I/D) が1.30でグルタミン酸の添加量として適量であることが認められた。
基本飼料のみの無添加群 (I/D=2.0) および, 添加量が過剰となるとキサンチンオキシダーゼ活性は低くなり, アルギナーゼ活性はやや高くなることが認められた。
アスパラギン酸添加においてもグルタミン酸と同様の添加効果が認められ, グリシン添加においてはN, 0.10%からN, 0.48%にわたり効果が認められ, 特にN, 0.29%添加 (I/D=1.1) が最も効果があることが認められた。
クエン酸アンモニウムーNの添加は添加量の多少にかかわらず, キサンチンオキシダーゼ活性を高める効果は認められず, この基本飼料カゼイン・アミノ酸飼料の不足する可欠アミノ酸-Nの代りとして殆んど役立たないように見られた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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