栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
変敗油の調理に及ぼす影響 (第31報)
フライ油の疲れと脂肪酸の重合度合
梶本 五郎向井 克憲
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1965 年 17 巻 5 号 p. 319-322

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抄録

フライ油の疲れ度合 (泡延距離で表わし, mm値の大きいほど, 疲れが大である) と脂肪酸重合の程度および泡立性を検討するため, 大豆油を150℃, 190℃, 230℃, で加熱し疲れ度合の異なる油脂を調製し, 1N-KOHメタノール液で鹸化処理し, 得られた脂肪酸についてカラムクロマトグラフィーと薄層クロマトグラムを行なった。
1. 脂肪酸のカラムクロマトグラフィーの結果では, 石油ベンゼンでモノマー部が溶出され, ついで2%メタノールベンゼン液でダイマー部, トリマー部が溶出されエチルエーテルで2次生成物が溶出された。
油脂の疲れが大きくなるにしたがい, モノマー部の減少は多く, 反対にダイマー部, 2次生成物量は増加した。その増減傾向は泡延距離40mmまでがダイマー部, 2次生成物部の蓄積量は多く, それ以後では蓄積速度がおそい。また俗にカニ泡の出はじめは泡延距離32mmにあたり, 2次生成部の蓄積量が5%にあたる頃である。
2. 加熱温度をかえ疲れ度合を同じにした大豆油脂肪酸では加熱温度とモノマー, ダイマー, 2次生成物含量の変化は必ずしも一致しないが, 2次生成物部は比較的よく一致した。
3. カラムクロマトグラムで分別したモノマー部, ダイマー部, トリマー部, 2次生成物部について薄層クロマトグラムを行なった。その結果, モノマー部に比ベダイマー部のRfは低く, さらにトリマー部は小さく, 2次生成物部は原点近くに展開した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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