1965 年 18 巻 3 号 p. 194-196
1) イネ科に属する穀類のうち, イチゴツナギ亜科に分類されるエンバクおよびスズメガヤ亜科に分類されるシコクビエより抽出した4種タンパク質 (albumin, globulin, prolaminおよびglutelin) につき, 18種アミノ酸を微生物法により定量した。
2) 4種タンパク質は, それぞれ特徴あるアミノ酸組成を示し, ことにprolaminは他のタンパク質に比較してglutamic acid, leucineおよびproline含量が高く, glycine, aspartic acidおよび塩基性アミノ酸含量が低いなど特異的なアミノ酸組成を示した。
3) さらにprolaminは, 両穀類間に含量において差異を示すアミノ酸がみられ, シコクビエはエンバクに比較してalanine, aspartic acid, histidine, tyrosine, serineおよびthreonine含量が高く, lysine, arginineおよびcystine含量が低いことが認められた。