栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
脱脂および全脂粉乳の風味
川西 悟生斎藤 健輔
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1966 年 19 巻 4 号 p. 240-244

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抄録

新鮮全脂および脱脂粉乳の風味構成の比較, 保存中の変化, 油脂および香料を添加した還元脱脂乳の嗜好性の変化などについて実験を行ない, 次のような結果がえられた。
1. 両粉乳の揮発性脂肪酸は, ほぼ類似しており, n-C4酸, n-C6酸が主体であり, C1, C2, C3は認められなかった。
2. 新鮮脱脂粉乳では揮発性カルボニル化合物は少ないが, 保存による風味の劣化とともに増加する。全脂粉乳では新鮮時もある程度存在し, 劣化に従いさらに増加する。
3. 脱脂, 全脂粉乳とも, H2Sが検出されたが, mercaptan, methylsulfideは認められなかった。H2Sは脱脂粉乳に多く, 45℃の保存で著しく増加した。
4. 両粉乳とも45℃の缶詰保存で経時的に風味の劣化をきたすが, 劣化の現象と揮発性化合物の変化との関係について検討した。
5. 還元脱脂乳の嗜好性は乳化状態によっても異なるが, 適量の精製油添加, 適切な香料添加によってかなり改善される。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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