1966 年 19 巻 4 号 p. 286-290
還元型ascorbateと亜硝酸塩が共存する場合, 通常ひろく用いられている滴定法や比色法では還元型ascorbateの正確な定量値は得られないことが明らかとなった。
そこでポーラログラフを用い, 亜硝酸塩が共存する場合の還元型ascorbateの定量法について検討を行なったところ, 亜硝酸塩定量の場合と同様に, ベロナール緩衝液でpH6.0~7.0に調整したクロム (III) -グリシン錯塩と過塩素酸ナトリウムを含む支持電解液を使用すると, アスコルビン酸ナトリウム0.02%以内で波高と濃度との間に直線関係があり, また共存する亜硝酸塩による阻害作用も認められないので, このポーラログラフ法により, 亜硝酸塩が共存しても還元型ascorbateの正しい定量値の得られることが明らかとなった。