栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
亜硝酸塩と共存する還元型ascorbateのポーラログラフによる定量法について
永田 致治安藤 則秀
著者情報
ジャーナル フリー

1966 年 19 巻 4 号 p. 286-290

詳細
抄録

還元型ascorbateと亜硝酸塩が共存する場合, 通常ひろく用いられている滴定法や比色法では還元型ascorbateの正確な定量値は得られないことが明らかとなった。
そこでポーラログラフを用い, 亜硝酸塩が共存する場合の還元型ascorbateの定量法について検討を行なったところ, 亜硝酸塩定量の場合と同様に, ベロナール緩衝液でpH6.0~7.0に調整したクロム (III) -グリシン錯塩と過塩素酸ナトリウムを含む支持電解液を使用すると, アスコルビン酸ナトリウム0.02%以内で波高と濃度との間に直線関係があり, また共存する亜硝酸塩による阻害作用も認められないので, このポーラログラフ法により, 亜硝酸塩が共存しても還元型ascorbateの正しい定量値の得られることが明らかとなった。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top