1967 年 20 巻 2 号 p. 98-100
前報において, β-シトステロール, スチグマステロールおよび, カンペステロールの混合からなる結晶性大豆ステロールおよびコーンのステロールが白鼠の血漿コレステロール低下作用を有することを認めたので, これら植物ステロールの効果はβ-シトステロールのみによるのか, スチグマステロールも同様の効果をもつかどうかを試験する目的で, 1%コレステロール含有の高コレステロール血症を起こす飼料にガスクロマトグラフィーにより, 約5%の不純物 (スチグマステロール) を含むβ-シトステロールおよび, 殆んど純品とみなされるスチグマステロールをそれぞれの飼料に対し, 0.1%レベルで添加し, 植物ステロール無添加を対照として試験した結果, リノール酸エチルエステル単独添加の対照に比し, β-シトステロール, スチグマステロール何れも0.1%添加により, 明らかに血漿コレステロール低下作用が認められ, 両植物ステロールの効果は殆んど同程度であることを認めた。