1969 年 22 巻 4 号 p. 228-230
1. スパイス類の魚臭抑制効果を, スパイスの水溶液に吸収されるトリメチルアミン量から推定する実験を行なった。吸収量測定には, 揮発性還元物質測定に使用する通気法を改良して行ない, 測定条件を若干検討した。
2. スパイス溶液は50万倍という極めて低い濃度でもよくトリメチルアミンを吸収することを明らかにした。また, スパイスの一成分と類似の化学構造をもつヴァニリン水溶液が非常によくトリメチルアミンを吸収することから, スパイスの魚臭抑制効果はスパイス中の成分と魚臭成分が化学的に結合することを推定した。