22 巻 (1969) 8 号 p. 552-556
1. 食品中の亜鉛を迅速にしかも正確に定量する目的で原子吸光分光分析法を検討した。
2. 原子吸光分光分析法による亜鉛の定量について基礎的な検討を行ない, その測定条件を定めた。 すなわち波長213.9mμ, 電圧200V, ランプ電流10mA, スリット幅0.2mm, アセチレン圧0.4kg/cmcm2, 1.5l/min, 空気圧1.4kg/cmcm2, 7l/minとした。
3. 共存元素の影響について調べた結果ケイ素, スズ, 銅, クローム, マグネシウムおよびカリウムが亜鉛の吸光度に影響をおよぼしたが, これらの影響はいずれも測定液中にカルシウム2500p. p. m. 添加することに抑制できた。
4. 共存元素の抑制剤としてカルシウムを添加するとノイズが大きくなり測定誤差を生じるが, 測定液中にエチルアルコール20ml添加することにより, このノイズを抑制することができた。
5. 添加回収試験を行なったがほぼ満足な結果を得た。
6. 原子吸光分光分析法による再現精度は同一試料液について6回測定した結果変動係数は4.83%であり十分満足な再現性度であった。
7. 水産生および缶詰食品中の亜鉛の含有量はカキ (50~70mg%) およびカニ (16mg%) に非常に多く含まれている以外, 他の魚介類はほぼ0.5~3mg%の含有量であった。