ゴイトリンを白ネズミに投与して甲状腺機能, 成長, 窒素出納, 肝臓重量および肝臓窒素に及ぼす影響を観察した。未成熟白ネズミ (試験開始時体重: 80g) および成熟白ネズミ (試験開始時体重: 240g) にゴイトリンをそれぞれ1日1匹当り1~20mgの数段階の投与量を設定して14日間経口投与した。
甲状腺機能および血中甲状腺ホルモン濃度はゴイトリンの投与量の増加に伴って比例的に低下した。すなわち甲状腺重量は未成熟白ネズミにおいても成熟白ネズミにおいてゴイトリンの投与量にほぼ比例して増加し, 血漿%PB131Iはいずれも投与量に反比例して低下した。甲状腺中131Iはゴイトリン投与によって著しく低下した。
ゴイトリンを20mg投与した場合, 未成熟白ネズミでは体重増加が停滞し, 成熟白ネズミでは体重の増加が促進される傾向がみられた。その他の試験区では対照区と変わらぬ体重増加を示した。
窒素蓄積率は, 未成熟白ネズミではゴイトリン投与により低下し, 成熟白ネズミでは増加の傾向を示した。しかし, 試験区間に有意の差は認められず, 甲状腺機能とN蓄積率との間に相関関係は認められなかった。
肝臓重量および肝臓総窒素は, 未成熟白ネズミおよび成熟白ネズミのいずれについてもゴイトリン投与によって増加し, 甲状腺機能との間に高い相関が認められた。
甲状腺機能, 体重増加, 窒素蓄積率に対するゴイトリンの作用にはいずれも年令による差異が認められた。