栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
白ネズミ肝グルコキナーゼの発達過程における誘導について
武藤 泰敏木場 春海細谷 憲政
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1972 年 25 巻 7 号 p. 519-524

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抄録

発達過程における白ネズミ肝GKならびに小腸二糖類分解酵素活性を経時的に測定し, さらにホルモン投与の影響を検討した。
1) 肝GK活性は出生後16日目までは検出されないが, 離乳期の25日目を境として急激に上昇し30日目でほぼ成熟白ネズミのレベルに近づく。一方, HK活性はこの期間中なんらの変動も示さなかった。
2) Estradiol投与は性臓器の重量に著しい影響を及ぼしたが, 肝GK活性に対しては必ずしも抑制効果を示さなかった。
3) Hydrocortisoneはブドウ糖の同時投与によって生後22日目の肝GK活性を有意に増加させたが, 生後30日目では著明な効果を示さなかった。Tst, Prg, GlgならびにGH投与は肝GK活性に対し著明な影響を示さなかった。
4) 小腸maltaseならびにsucrase活性はそれぞれ生後15日および18日より上昇傾向を示し, 22日および26日で最大のレベルに達した。これらは明らかに肝GK誘導に先行していた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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