栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
Meal-fedネズミの肝臓および血液成分に対する無たん白飼料の影響
紺野 仁木村 修一
著者情報
ジャーナル フリー

1972 年 25 巻 8 号 p. 653-657

詳細
抄録
1日1回, 2時間だけ摂食するように訓練した白ネズミを用いて, 無たん白食に切り替えたときの血中遊離アミノ酸, 肝臓遊離アミノ酸, 肝臓たん白などめ変化を, 20%カゼインで飼育した対照群と比較検討し, 以下の結果を得た。
1) 血中遊離アミノ酸は, 対照では摂食により上昇したのに対し, 無たん白群では摂食後24時間まで変化はなく一定のレベルに保たれた。
2) 肝臓遊離アミノ酸の変化は両群で4時間までは異なって, 対照群では一定に保たれたのに対し, 無たん自群では低下した。その後の変動は両群で類似していたが, 無たん自群では対照より常に低いレベルにとどまった。
3) 肝臓たん白, RNAの変動は4時間以後, 無たん白群が対照にくらべて低く, 24時間後には対照の80%になった。
4) meal-feedingを用いた飼料の切替えによって, 無たん白食投与後4時間で, その影響が現われることが明らかにされた。しかし血中遊離アミノ酸プール, 肝臓アミノ酸プール, 体内易動性たん白の変動といった一連の系で変動のつながりは明らかではなかった。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事
feedback
Top