1973 年 26 巻 1 号 p. 69-73
血漿遊離アミノ酸パターンにおよぼすビタミンB6欠乏の影響を, ラットを用い食餌中のたん白質の種々の場合について検討し, 次の結果を得た。
1) 体重増加は, 対照区ではたん白18%群, 70%群に差がなく, 6%群は低値を示し, B6欠乏による体重の低下は6%群に少なく, 70%群において最も著明であった。
2) スレオニン脱水酵素活性は, 対照区でたん白が多いほど大となったが, B6欠乏区では増加が少なく, 対照区に比し低下し, とくに70%群にB6欠乏の影響が強くあらわれた。
3) 血漿遊離アミノ酸は, 対照区では6%群, 18%群, 70%群と飼料中たん白含量の増加に伴い血中濃度は増加し, B6欠乏区では飼料中たん白含量の増加に伴い血中濃度は低下した。各対照区とB6欠乏区を比較して, 対照区より有意に増加したアミノ酸は6%群のThr, Gly, 18%群のMet, 70%群のGlyであったが, 他の多くのアミノ酸は各対照区より減少を示した。