栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
p-ベンゾキノン・グリシン反応系の褐変と抗酸化能
畑中 千秋大村 浩久
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1973 年 26 巻 7 号 p. 457-462

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抄録

pQとアミノ酸, とくにGlyとの反応による抗酸化力ならびに還元力の発現および褐変について試験し次のような結果を得た。
1) pQ単独系においてもかなりの抗酸化力ならびに多少の還元力や褐変も認められるが, これにGly等アミノ酸を添加して反応させることによりいずれも増強された。
2) 抗酸化力は反応溶液のpH, Gly濃度あるいは作用時間によって著しく影響された。すなわち, pHやGly濃度が高くなるほど, また反応時間が長くなるほど, 得られた褐変溶液の抗酸化力は増強された。他方, 還元力や褐変もpHおよび反応時間により同様に影響された。
3) 抗酸化力は還元力には密接な関係はみられないが, 褐変度とはほぼ比例関係にあった。
4) pQとGlyとの反応でHQの生成を認めたほか, 置換型ジフェノールの生成も推定された。
5) 抗酸化力, 還元力および褐変に対する種々のアミノ酸の効果が比較検討された。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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