栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
飼料たん白レベルの鉄利用率におよぼす影響
吉野 芳夫今井 芳恵島田 洋一田中 勝紘渡辺 一征田村 盈之輔
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1973 年 26 巻 9 号 p. 539-545

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抄録

飼料たん白レベルの鉄利用率におよぼす影響を検討するため, 鉄含量正常および鉄欠乏の2系列のラット飼育をカゼインをたん白源とした合成飼料によって, たん白量を階段的に制限して実施した。
飼育期間の体重増加は2系列の実験とも飼料カゼイン含量と平行する傾向にある。飼育終了時のヘモグロビン値は鉄欠乏・カゼイン20%飼育において顕著な低下を来たしたが, その他の実験群はほぼ正常値である。肝臓非ヘミン鉄量は鉄含量正常群ではいずれも正常値であるが, 鉄欠乏群では低値となった。
59Fe経口負荷48時間後の赤血球および肝臓非ヘミン鉄への59Feの取り込み率を検査すると, 赤血球への取り込み率は飼料カゼイン含量と平行して増加する。しかし5%カゼイン飼育では両実験群とも, 肝臓非ヘミン鉄量にかかわらず, 赤血球への鉄取り込み率は低値である。
肝臓キサンチンオキシダーゼ活性は飼料カゼイン量と平行して上昇するが, とくに鉄欠乏・カゼイン20%飼育群の酵素活性は顕著に増加した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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