栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
光学用フィルターによる牛乳中のリボフラビンの光分解防止効果
福本 順子中島 けい子
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1975 年 28 巻 5 号 p. 257-261

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抄録

ペトリ皿に入れた市販牛乳を, 40Wの白色螢光灯 (1.625×104ergs/cm2/sec) で, 180分間照射すると, 約60%のリボフラビンが分解される。一方, これに青色 (400-560nm), 褐色 (主として500nm以上), および赤色 (550nm以上) の各フィルターを用いて光処理すると, リボフラビンの分解は, それぞれ20, 30および10%に軽減され, とくに赤色フィルターを用いた場合の低下は, ほとんど暗所保存に等しい。しかしながら, 透明フィルターを用いたときは, リボフラビンの分解はほとんど防止されない。以上の結果から, リボフラビンの分解防止のためには, 現在市販牛乳に用いられている透明ビンよりも赤色ビンを用いるほうがより望ましいと考えられる。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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