栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
和三盆糖の遊離アミノ酸, 有機酸, 糖
松井 年行山田 勝治
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28 巻 (1975) 7 号 p. 371-376

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抄録

精製白糖に比べ和三盆糖の独特の風味が含有する不純物質によるところが大であるという考えをもとにアミノ酸, 有機酸, 糖の分析を行ない, あわせて精製工程中の成分変化を見て以下のことを明らかにした。
1) 製品において遊離アミノ酸ではアスパラギン酸, アスパラギン, アラニンが多く, γ-アミノ酪酸は0.88mg%であった。
2) 製品において, 除たん白はほぼ完全であると考えられる。しかし, 共存するショ糖の影響が考えられる加水分解法は今後検討を要する。
3) 糖ではシュークロース, フラクトース, グルコースを定量した。
4) 有機酸ではcis-アコニット酸が製品において全有機酸の49.4%を占めており, ピログルタミン酸は全有機酸の11.4%であった。
5) 市販グラニュー糖, 上白糖を和三盆糖と比べた場合に, 一般分析値から推定して市販精製糖の有機酸, 遊離アミノ酸が風味に与える影響は少ないと考えられる。
6) 和三盆糖の独特の精製法である「押し」と「研ぎ」をくり返す方法では, 精糖工業で古くからいわれている有害性窒素成分および侠雑物を完全に除去しえない。逆にこのことが幸いして, 特徴的な風味を作り出していると考えられる。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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