1975 年 28 巻 9 号 p. 477-483
著者らは1970~1972年, 1974年の4年間にわたり, 大分県産の春子の11銘柄の干しシイタケについて, その主要な呈味成分と考えられる5'-ヌクレオチド類および遊離アミノ酸類の含量に差が認められるか否かについて検討を行ない, 次の結果を得た。
1. 一般に品質劣等な規格外品の黒子を除き, 各種銘柄間の主要な呈味成分含量について明白な差が認められなかった。
2. 各種銘柄の干しシイタケの遊離アミノ酸につき, アミノ酸パターン類似率を求めたところ, 黒子を除き各種銘柄につき高い類似率が認められた。
3. 干しシイタケの部位別の呈味成分の分布について検討したところ, 一般に菌傘部位が菌柄部位より主要な呈味成分含量が多かった。