栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
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白ネズミ小腸のスクラーゼ-イソマルターゼ複合体の精製ならびにその性状
佐々木 光美山田 和彦森内 幸子細谷 憲政
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1979 年 32 巻 3 号 p. 201-208

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抄録

白ネズミ小腸粘膜からスクラーゼ-イソマルターゼ複合体を精製して, その性質について観察し, 他の動物のスクラーゼ-イソマルターゼ複合体と比較検討した。
1) 白ネズミ小腸粘膜のS-I複合体をパパインを用いて可溶化し, 硫安分画, セファデックスG-200カラムクロマトグラフィー, DEAEセファデックスA-25カラムクロマトグラフィーを行なうことにより, マルターゼ活性をもつ単一の酵素標品を得た。スクラーゼ活性は140倍, イソマルターゼ活性は96倍に上昇した。
2) S-I複合体の分子量は, ポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法により215,000と推定された。
3) スクラーゼ, イソマルターゼならびにマルターゼ活性のKm値はそれぞれ18, 4.0, 3.7mMであり, いずれの酵素活性も, Trisにより拮抗的に阻害され, また重金属イオンのAg+, Hg++により完全に阻害され, Cu++, Zn++により部分的に阻害された。至適pHは, いずれもpH 6.0であった。
以上のことから, 白ネズミ小腸粘膜から精製されたS-I複合体は, 単一の酵素たん白質であり, その性質はウサギ, ヒト, ニワトリなどのS-I複合体と同様の性質をもつものであることが明らかにされた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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